この数字は1つの目安になると熊谷教授はいう。
「この3.4%が最低ラインで、LD学会員を対象にした調査の結果を加味すると算数障害の子どもは1クラス当たりおおよそ4〜7%いると考えられます」
「算数障害」がある子どもの特徴
では、算数障害の子どもにはどのような困難があるのか。特徴的な事例をいくつか紹介しよう。
数の順序がわからない。数を数えるとき、「いち、に、さん、ご、ろく、きゅう」など数字を飛ばしてしまい、順序どおりに言えないことがある。
暗算ができず、指を使って数えて計算するので時間がかかる。
暗算は答えられるが、筆算ができない。計算式を書くとき、位を揃えて書くことができない。
このように算数障害の表れ方にはさまざまなタイプがあるが、原因となる認知能力のアンバランスとは具体的にどういうことだろうか? 熊谷名誉教授が説明する。
「脳の情報処理能力には、1つひとつの情報を処理する継次処理と、複数の情報から関係性や因果性を発見して処理する同時処理があります。脳は状況に応じて自然にこれらのどちらかを使って処理しています。
しかし、算数障害の子どもはどちらかの能力が極端に弱い、また強いという偏りがあります。算数には4つの領域があるのですが、この処理能力の偏りが原因で、できる領域と極端にできない領域が生じてしまうのです」
4つの領域とは「数(すう)処理」「数概念」「計算」「数的推論」というもので、熊谷名誉教授が算数障害の有無や程度を判断する基準もこの4つの領域だ。
大体の子どもが6歳までに身についていること
1つ目の「数処理」は、数詞と数字と具体物の対応関係を理解して、操作できること。
たとえば「3」という値の読み方(数詞)は「さん」で、数字では「3」と書き、3個のモノ(具体物)と結び付けて考えられるかどうかを判断する。
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【120と135のどちらが大きい数字なのかわからない】
