やる気満々の新人が「静かな退職」を選ぶ理由 その兆候は入社直後から…若手が会社を見切る"瞬間" 上司はどうすべき?
「なぜ今年の新人は、言われたことしかやらないんだ……」
ある物流会社の営業部長(40代)から、そんな嘆きを聞いた。定時になると、自分の担当業務が残っていても平然と席を立つ。指示された以上のことは一切しない。退職届を出すわけでもないが、会社への貢献意欲は明らかに低い。
こうした働き方は「静かな退職(Quiet Quitting)」と呼ばれ、近年大きな話題となっている。そして今や、この現象は入社直後の新入社員にまで広がりつつある。
そこで今回は、若者が入社早々に「静かな退職」へと陥る原因と、上司がとるべき対策について解説する。新入社員の育成や若手社員のマネジメントに頭を悩ませている人は、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
「ゆるい職場」が生む、逆説的な不満
働き方改革が推進されて以降、日本の職場環境は大きく変わった。長時間労働は是正され、有給休暇の取得も義務化された。パワーハラスメントへの目も厳しくなり、かつてのような理不尽な精神論が横行する職場はなくなりつつある。
職場は確実に「ホワイト化」した。新入社員にとっても、居心地の良い環境になったはずである。しかし、それが若者の定着や意欲向上に直結しているかといえば、そう単純ではない。
パーソル総合研究所の調査によれば、入社後に何らかの「こんなはずじゃなかった(リアリティ・ショック)」を感じた新入社員は、全体の約8割にのぼるという。
過酷な労働環境や理不尽なノルマへのショックではない。
「ここで働いていて、自分は本当に成長できるのだろうか」
「このままでは、他社で通用しない人間になってしまうのではないか」
という、キャリア安全性への強い不安である。
現代の上司たちは、ハラスメントリスクを過剰に恐れている。そのため部下への指導に極端な気を遣う。「最近の若者は干渉を嫌がるから」と勝手に解釈し、「自由にやってみて」「無理しなくていいよ」と耳当たりの良い言葉ばかりをかけるのだ。


















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