26年の《冬ドラマ視聴率ランキング》が示す「意外な結果」 大河と日曜劇場が"2強"形成、テレ朝がTOP5に3作の健闘
筆者が個人的に推していたのが『ラムネモンキー』(フジテレビ系)。コメディ要素たっぷりのヒューマンミステリーだが、全話を通して郷愁がにじみ、最終回はとてつもない寂寥感に襲われた。主題歌をはじめとする劇伴が感傷モードへのスイッチになる、音楽と物語の相性もすばらしかった。
ただ、昭和世代限定の傑作かもしれない。視聴率は3.6%でTOP10圏外になった。
主人公3人のあだ名は、ジャッキー・チェンとサモ・ハン・キンポーとユン・ピョウから取っていて、ドラマタイトルはジャッキー・チェンの名作『酔拳』のドランクモンキーから。ゴールデン・ハーベストの香港映画に心を撃ち抜かれていた1980年代の映画ファンにとって、たまらない設定だろう。
劇中にも昭和あるあるネタがあふれ、おじさん3人(反町隆史、大森南朋、津田健次郎)と、彼らを引率する現代っ子(福本莉子)のやりとりにほっこりと心が温まった。
物語にはファンタジックな要素が埋め込まれるが、それらすべてがリアルに落とし込まれていて、ラストは涙無しには観られない。昭和男性におすすめの作品だ。
日本のエンターテインメントを牽引する脚本家のひとりであり、稀代のヒットメーカー・古沢良太氏の面目躍如であり、新たな代表作になるだろう。
苦戦を強いられたTOP10圏外ドラマ
序盤でXのトレンド入りするなど話題になった『冬のなんかさ、春のなんかね』(日本テレビ系)は、3.2%(TOP10圏外)に終わった。
アート系映画のような、何事も起こらない淡々とした日常が描かれる、その空気感を楽しむ人間ドラマは、連続ドラマというフォーマットには不向きだったようだ。視聴率は終始3%台を推移し、2%台の回も複数あった。
ただ、設定や構成を変えただけのような焼き直しドラマがいまだ多いなかで、こうした新機軸への挑戦には意義がある。本作のようなセリフの行間や心の機微を感じ取ることで、視聴者それぞれが何かを感じたり、自身を投影して考えたりする物語は、日本らしいエンターテインメントでもある。こうしたドラマへのチャレンジが続くことが、ドラマシーンの発展にもつながるだろう。
今期ドラマは、過去のクールと比較すると、特別大きなヒット作はなかったものの、中ヒットがいくつも生まれたことで、そこそこ盛り上がった印象だ。市況としては良い流れであり、これを維持することが大事だろう。
今年は夏に『VIVANT』(TBS系)の続編が控えるが、その前の春ドラマにも注目したい。
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