地球低軌道で交通事故が起きる? 科学者たちが懸念する「人工衛星が多過ぎ」問題
現在、NASAの推定によると、地球の軌道上には追跡できるものだけで約4万~5万個の人工物があり、大半が地球低軌道上に存在するという。
そして、近年はSpaceXのStarlinkや、Amazon Leo(以前の名称はProject Kuiper)をはじめとする、民間企業による衛星コンステレーション事業が、数千~1万基を超える人工衛星の打ち上げを計画するようになった。その極め付きは、最近イーロン・マスク氏が発表した、約100万基のAI搭載衛星を打ち上げる軌道上AIデータセンター計画だ。
このように地球の軌道、特に低軌道は年々混雑の度合いが増しつつある。そして、天文学者をはじめとする一部の科学者らは、いくつかの事柄について懸念しているという。
軌道上で起こる「交通事故」
そのひとつは、地球の軌道上で人工物の混雑度が増すことで、自動車事故のように衝突が起こるかもしれないということだ。
2025年9月、旧ソビエト連邦が1976年に打ち上げたコスモス807号と、中国の使用済みロケット長征4C、いずれも使用後に放棄され、軌道上を無制御状態で周回していた2つの宇宙機が、約36mの距離まで接近するニアミスがあった。
もし、これが衝突していた場合、追跡可能なものだけで約3000個の破片がスペースデブリとして軌道上にばらまかれることになったと予想されている。
史上初とされるスペースデブリどうしの衝突は、09年2月に、シベリア上空789kmの高度で発生した。アメリカの民間通信衛星イリジウム33号とロシアの軍事衛星コスモス2251号は、シベリア上空で秒速11.7kmで衝突し、追跡可能な大きさのものだけでも2300個以上の破片となって軌道上にデブリの雲を作った。そして、その一部はしばらく後に大気圏に落下した。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら