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トランプ・高市首脳会談は本当に「大成功」だったのか? 11兆円の"手土産"でも埋まらないアメリカとの「深い溝」

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世間的には高い評価を受けている日米首脳会談。しかし、その実態を解き明かしていくと、もろ手を挙げて喜べる状況ではなさそうだ(写真:ブルームバーグ)

3月18日から4日間にわたる訪米で、高市早苗首相はいったい何を得たのだろうか。

当初は4月に予定されていたドナルド・トランプ大統領の訪中に合わせて、日米間の結束を誇示するとともに、対中政策をすり合わせるはずだった。ところが、2月28日にアメリカとイスラエルがイランを攻撃したことでトランプ大統領の訪中は延期され、高市首相の訪米の目的も変更を余儀なくされた。それは茂木敏充外相が急きょ同行したことでも明らかだ。

焦点は、今回のイラン攻撃についてアメリカが日本に何を求めてくるのかという点だった。トランプ大統領は各国にホルムズ海峡へ艦船を派遣することを呼びかけたが、イギリス、ドイツ、イタリアはこれを拒否。フランスも地中海への艦船派遣にとどまり、「われわれはNATO(北大西洋条約機構)を助けたのに、彼らは助けてくれない」とトランプ大統領を嘆かせた。

多くのメディアも参院議員も大絶賛

当然、日本にも何らかの「積極的支援」を求めてきたはずだ。高市首相と茂木外相は帰国後に「法律でできることとできないことがあると(トランプ大統領に)説明した」と述べた。だが、先方からの要求もないのに説明するはずがない。

トランプ大統領は日米首脳会談後にFOXニュースに出演し、「もしわれわれが必要とするなら、日本はわれわれのために尽力してくれるだろう」と語った。そこには大きな期待がうかがえる。

多くのメディアは「日米首脳会談は成功だった」と大絶賛。3月25日の参議院予算委員会でも、国民民主党の山田吉彦議員は「訪米は大成功」と褒めたたえ、立憲民主・無所属の広田一議員も「G7の中で最初にトランプ大統領と会談した」「近年で最も難しい首脳会談だった」と高く評価した。読売新聞と日本テレビの3月度の定例調査でも、日米首脳会談を69%が「評価する」と回答した。

だが、こうした世間の高評価には違和感を抱かざるをえない。その理由を解きほぐしていきたい。

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【首脳会談の実態は“すれ違い”だった】

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