トランプ・高市首脳会談は本当に「大成功」だったのか? 11兆円の"手土産"でも埋まらないアメリカとの「深い溝」

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お土産にはアラスカ産原油の開発と日米共同備蓄案も含まれた。だが、それらは今回の「石油危機」には間に合わない。そもそもアラスカでの原油掘削量は日量40万バレルほどで、1日に240万バレルを消費する日本の石油問題を解決するものではない。

アラスカのパイプライン
アラスカを走るパイプライン(写真:ブルームバーグ)

結局、日米首脳会談に対する世間の高評価は、高市首相が「何をしたのか」ということではなく、「余計なことをしなかった」ことの評価に尽きるのではないか。めぼしい成果があったなら、共同声明として発表されただろう。

もしアメリカが本気で日本に多大な支援を求めたら、断ることは困難だった。実際にトランプ大統領は高市首相に「貸しがある」と感じている。2月の衆院選の終盤に応援メッセージを送り、それが自民党の大勝利に大きく寄与したと信じている。アメリカ大統領が日本の国政に関与できるほど日米関係は強固なのだ、と。

ところが、2月28日のイランへの攻撃について、日本はアメリカから事前に知らされていなかった。19日の日米首脳会談でテレビ朝日の千々岩森生記者がこれについて尋ねたが、トランプ大統領は「日本も“パールハーバー”を通告してこなかった」とはぐらかすだけだった。

平和外交で培ってきた成果を発揮せよ

日本側も危機意識が薄かった。高市首相は攻撃当日の28日、石川県知事選の応援のため、羽田空港を飛び立とうとしていたが、「イラン攻撃」の一報を得ても予定を変更しなかった。

だが、中東から石油の94%を輸入している日本にとって、イラン有事は決して対岸の火事ではない。重要なことは、日本がこれまでの平和外交で培ってきた成果をいかに発揮できるかという点だ。

それは、中東に石油を依存するほかのアジア諸国との関係にも影響を及ぼすだろう。アメリカに頼るばかりが、外交とはいえない。時にはアメリカを先導し、後押しすることも必要だ。

故・安倍晋三元首相に絶対的な信頼を置いたトランプ大統領は、G7などの会合で「シンゾーならどうする?」と尋ねたという。「ドナ・サナ」関係はどこまで構築されるのか。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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