さらに今回のイランショックはウクライナショックよりも深刻な事態をもたらす可能性もある。日本の中東依存度が高いからだ。
原油は9割超を中東に依存。原油から精製されるナフサも約8割が中東由来だ。化学大手の三菱ケミカルはナフサから作る基礎化学品・エチレンを3月6日から減産している。エチレンはさらに加工され、食品容器・包装材、日用雑貨、洗剤、衣料品、自動車部品、半導体材料、薬品などになる。これらも今後、生産が減りかねず、多くの企業の売上高が減って景気が悪化する可能性がある。
エチレンの減産は三菱ケミカル以外でも始まっている。天然ガスやメタノールも中東影響が大きい。
イランショックが長引けば、日本経済全体が大きく冷え込み、財政支出のさらなる拡大が求められることは必至だ。高市政権の「責任ある積極財政」は早くも正念場を迎えている。
2つの財政指標、どちらが大事?
高市首相は財政指標のうち、従来、政府が掲げてきたプライマリーバランス(PB)黒字化の目標よりも、政府債務残高GDP比の低下を重視する考えを示す。PBは単年度ではなく複数年度で確認するようにし、債務残高の伸びを成長率の範囲内に抑え、政務債務残高の対GDP比を引き下げていく構えだ。
PB黒字化が財政運営を制約してきたとの問題意識からだが、2つの財政指標は密接に関係しており、目標をシフトしても財政制約が変わるわけではない。足元ではPBが赤字でも債務残高GDP比は低下している。だが金利が上がって利払い費が増えれば改善は続かない。PBが黒字でも、債務残高GDP比低下には不十分な状態になるのだ。

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