かといって赤字国債を発行すれば金利に跳ね返る。「責任ある積極財政」はますます隘路(あいろ)に陥る。
こうした中、株式市場は「積極財政」による成長投資に期待し、債券市場は「責任ある」財政に望みをつなぎ、株高と金利の落ち着きが併存していた。それを覆したのがイランショックだ。
日本経済を深刻な事態に
国会で予算審議が始まった矢先の2月28日、アメリカとイスラエルがイランを攻撃。原油高騰への対策として、高市政権はガソリン補助金の復活に踏み切った。軽油や重油も対象とする。投資にシフトしていた「責任ある積極財政」は物価高対策に引き戻された。
みずほリサーチ&テクノロジーズチーフ日本経済エコノミストの服部直樹氏は、ガソリンなどの前年販売量を基に補助金に要する額を試算。ガソリン価格は原油価格高騰につれ、1リットル=200円まで上がると見込まれる。高市首相は同170円程度に抑えると表明しており、燃料油補助金の基金残高約2800億円は4月中に底を突く。予備費から8000億円を積み増す方針だが、7月末には枯渇する見込みだ。

原油高によるダメージはガソリン補助金の支出ばかりではない。
22年のロシアによるウクライナ侵攻以降、日本はエネルギー価格の上昇などで交易条件が悪化し海外に所得が流出。日本の貿易赤字拡大が見込まれ、円安が進んだ。今回も円安が進めば、さらに貿易赤字が拡大するというスパイラルに陥りかねない。そして物価高が進み、苦しむ家計へ一層の支援が必要となるだろう。





















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