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日本に必要なのは国論の二分ではない、思考停止・議論停止をやめて「真実を求め、いい案を出すために議論する姿勢」だ

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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競馬である。

私の大好きなJRA(日本中央競馬界)の国枝栄調教師が定年で引退した。国枝師と言ってもわからないかもしれないが、「アーモンドアイの調教師」というのがいちばん通じるであろうか。

彼の馬の育て方、使い方が大好きだったし、信頼していたし、伝え聞く人格も(残念ながら直接お会いしたことはない)尊敬していた。彼の著書「覚悟の競馬論」も、ほとんどの部分に強く賛成で、このような問題意識を強く持たれていた方が引退するのはとても残念だ。

日本競馬発展の最大原因はJRA自らの改革によるもの

そこで、私も、外部のアマチュアとして、日本競馬の中心プレーヤーであるJRAおよびJRA改革論の、さわりの部分を今回は述べてみたい。

根本的な問題は、まさにすべての日本組織、日本の業界に言えることである。既得権益を持っている者の互助会組織。それを守ることが最優先というか、ここが制約条件になっていて、新しい必要な改革が、この制約条件に触れるとまったく動けなくなってしまう、ということである。

これは、外部からは理解できない日本組織のアンビバレント(二律背反)な、あるいは分裂的な行動をもたらす最大の要因である。例えば、以前から何度も書いているように、日本競馬は圧倒的世界一となっているが、これは一義的には、1979年から始まったJRAの大キャンペーンによるものである。

とにかく「強い馬づくり」という目標に向かって突き進んだ。そして、日本の一般社会へ向けては、家族で楽しめる競馬、というコンセプトで、「おっさんのタバコまみれのギャンブルの世界」というイメージを一新した。

そして、競馬は日本社会では広く受け入れられ、馬券の売り上げが圧倒的世界一で、しかも、それが完全にコントロールされた公的な組織JRAに集中した売り上げとなるという仕組みを維持した。このカネが原資となり、うまく回り、日本競馬は大きな発展を遂げた。だから、今の競馬発展の最大の原因はJRAによる自らの改革なのである。

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【JRAがさらに高みに進む改革ができない「3つの理由」】

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