出町ふたばの豆餅は予約、林万昌堂は高島屋、本田味噌は取り置き。行列の商品を地元民は涼しい顔で手に入れる。京都で「よそさん」30年の驚き

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
出町ふたばの「名代豆餅」
出町ふたばの「名代豆餅」。ふっくらとした黒豆の塩気とほどよい甘さの餡があとを引くおいしさ(筆者撮影)
この記事の画像を見る(20枚)
ある町を観光で訪れたとき、地元の人にとっては「当たり前」のことが、自分には驚きだった……という経験はないだろうか。「ジモトのアタリマエ」では、そんな地元民ならではの「価値観」や「街歩きの知恵」にスポットを当て、その土地の本当の楽しみ方を提案する。第1回は京都。

京都に住むようになり30年、京都人と結婚した筆者は、生粋の京都人ほど京都人に近くなく、観光客ほど遠くもない。そんな「よそさん」という距離から垣間見た、京都人の「アタリマエ」を紹介する。

京都人の洛中・洛外問題

大学への編入を機に京都へ来て、もうすぐ30年になる。京都人と結婚し、子育てもした。それでも今なお私は、「よそさん」である。

京都でライターの仕事をするようになってしばらく経った頃に、店舗のオーナーである年配のお母さんから聞いた話がある。ロケで店を訪れた女性タレントが、「京都出身です」と言うものだから、詳しく聞くと宇治だと分かった。

思わず「宇治は京都ちゃうえ」と突っ込んでしまったという。女性タレントは笑って聞き流したそうだが、宇治の人がなぜ京都出身と言ってしまうのか、さも不思議そうにしていたお母さんが印象的だった。

ちなみに、「京都人」の定義も細かく分類されているようだ。よく言われるのが洛中、つまり京都市の中心部、「御土居(おどい)」と呼ばれる京都市を囲む土塁の内側に住んでいる人こそが、「京都人」だということ。

でも、町中に住んでいる京都人の友人であっても、「我が家は、祖父の代から数えて3代目やし、まだ京都人ちゃうわ」と言う。住む場所に加え、3〜4代(およそ100年)住んで初めて京都出身、京都人と名乗っていいという感覚もあるようだ。

つまり、私が京都に30年住んでいるからといって「京都人」を名乗れる訳ではない。恐れ多くて口にするのもはばかられる。

次ページ京都人の「日常の贅沢さ」に驚く
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事