出町ふたばの豆餅は予約、林万昌堂は高島屋、本田味噌は取り置き。行列の商品を地元民は涼しい顔で手に入れる。京都で「よそさん」30年の驚き
「特別なものが日常である」という贅沢への無自覚さ
学生時代にはそこまで京都の家庭に踏み入る機会もなかったが、家族ができると、京都人の「日常の贅沢さ」に驚かされる場面も多々生じた。ひとつは、県外の人にとっては「特別なもの」を、京都人は普通に楽しんでいるということだ。
林万昌堂の「甘栗」や、手土産の鉄板といわれている満月の「阿闍梨餅」など……。ライターとして京都のガイドブックで記事を書いてきたので、京都の名物はたくさん取材している。だが、だからこそ、それらは私にとって、めったには食べられない京都の名物だと思っていた。
それがあるとき、友人宅でおやつとしてよく出されていた甘栗が、明治7年創業の老舗「林万昌堂」の甘栗だったと判明。もっと大仰に出してくれたら気付いたのに、京都人にとっては「ふだんのおやつ」扱いなので、全く気付かなかったのである。
店の前はいつも行列しているのに、どうやって手に入れたのか訊ねてみると、林万昌堂は京都高島屋、大丸京都店でも販売しているので、そこで購入していると言う。なるほど、並ぶ必要などなかったのだ。




















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