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ライフ #ジモトのアタリマエ──観光客の知らない知恵と常識

出町ふたばの豆餅は予約、林万昌堂は高島屋、本田味噌は取り置き。行列の商品を地元民は涼しい顔で手に入れる。京都で「よそさん」30年の驚き

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  • 江角悠子 フリーライター、編集者
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番外編として挙げたいのが、満開のピークを過ぎた「哲学の道」。散った花びらが疎水に溜まり、見事な「花筏」が楽しめる。あえて桜が散ったあとの「花筏」を見るのも乙である。

散ったあとの花びらが川面を流れる「花筏」(画像:でじたるらぶ/PIXTA)

どうしても人ごみが苦手という人には、「朝あるき」をオススメする。何より伝えたいのが、朝8〜10時という時間帯の活用だ。名所はだいたいホテルのチェックアウト時刻10〜11時以降から混みはじめる。大勢の観光客が動き出す前の「朝あるき」で桜を堪能してもらいたい。

「京都ブランド」を売る「東京資本」への視線

京都に来て間もない頃、観光客と同じように、名所近辺にある抹茶スイーツ店に並んだことがある。当時は何も疑わなかったが、30年経った今、そういう店の前を通るとき、ふと立ち止まることがある。

観光地に増えている「いかにも京都らしい」演出の店。観光客には人気があるようだが、地元民からは果たして。

「いかにも京都らしい」演出の店への地元民の思いとは……(画像:chocobagel/PIXTA)

映えが注目を浴びる抹茶スイーツのカフェや、町家をリノベーションした飲食店、雑貨店などは観光地でもよく見かける。でもそれは、地元民からすると、抹茶風味で甘いだけのスイーツだったり、町家も表面上だけのものだったりする……こともあるのではないか。

本当の意味で「町家を生かせている」店がどれほどあるだろうか。下鴨神社にほど近い場所にある甘味処「茶寮 宝泉」の建物は、築100年以上の数寄屋造り。取材した際、夏と冬ではしつらいを総入れ替えすると聞いた。

冬は寒さをしのぐ襖に、夏には透け感のある御簾や葦戸(よしど)へ全て取り換えるという。ここまでするからこそ、京都なのかと驚いた。町家とは、単なる箱ではないのだ。

ただ、そうした「いかにも」な店を京都人は、静かに見守っているという印象がある。30年この町で暮らし、数多の店の移り変わりを見てきた実感からそう思う。

新店ができると素早く情報をキャッチし、「あそこ、もう行かはった?」と聞かれたりもするが、すぐには行かず、落ち着いた頃にふらりと足を運ぶ。そうやって京都人が静観しているうちに、閉店していたりする。

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【知るほどに分からないことが増えていく】

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