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ライフ #広がる新しい暮らし方 "廃居"という磁力

「壊すしかない」と言われ続けた"岩に抱きつく廃墟"、大逆転の再生物語。廃墟好きが「栃木のマヤカン」と呼んだ施設は今

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35年間放置されていたかつての大谷グランド・センター。写真左側、一段下がったところにある建物は現在撤去されている(写真:大谷グランド・センター)

廃墟好きの人たちの間で「廃墟の女王」と呼ばれる摩耶観光ホテル(マヤカン)にちなみ、「栃木のマヤカン」あるいは「東のマヤカン」と呼ばれてきた建物がある。

栃木県宇都宮市大谷町にある旧山本園大谷グランドセンター、2025年12月に再生されて現在は「大谷グランド・センター」である。

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大谷町は江戸時代から採掘され、明治以降に全国に普及した大谷石の産地で、建物は岩の間の挟まれるように立地。廃墟になってからも通りかかる人たちの関心を惹き続けてきた。

35年もの歳月を経てよみがえった建物。その背景にある物語を聞いた。

昭和末期に閉館、そのまま放置

旧山本園大谷グランドセンター、現大谷グランド・センター(以下グランド・センター)は宇都宮駅からバス利用で30分弱とやや離れた場所にある。

周囲にはかつての大谷石採掘場跡地を利用した大谷資料館、見学できる現役の採石場、大谷石の石仏、観音で知られる大谷寺などがあるものの、繁華な観光地とは言いがたい。

大谷石の山塊を取り込むように建物が建てられているのがわかる(写真:大谷グランド・センター)

なぜ、そんな場所に今でいうところのスーパー銭湯のような施設があったかといえば、当時の利用者はバスで訪れる団体客だったため。バスで来て建物内で遊んでバスで帰るなら多少不便な立地でも問題はなかったのだ。

【写真】記事で使っていない写真も多数! 改修前の「荒れた」様子と、改修後の変化を写真で見る(27枚)

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【人が思いつかないことを形に】

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