イラン、アフガン、そしてベネズエラは……暴力による「独裁者の排除」がうまくいかない訳

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

本書に、非暴力の抗議運動は57%が民主体制につながったが、暴力を伴う変化では6%に満たなかったという話がありました。

世の中は、悪人をあげつらい、そいつを死刑にしろと激しく糾弾したがりますが、それがあまりに激しすぎると良くない結果を必ず招くのです。

一度クーデターが起きると、軍人たちに「やっていいんだ」という印象を植え付けてしまい、何度もクーデターが起きてしまう「クーデターの罠」という話も印象的でした。

日本は、戦前には二・二六事件がありましたが、戦後の自衛隊になってから、クーデターなど恐らく誰も考えたことがないでしょう。

暴力は良くない結果を招く

60年代には学生運動が盛り上がって、街頭で石や火炎瓶を投げて機動隊と対決しましたが、それも一瞬の火花のようなもので、彼らが大学を卒業すれば終わってしまいました。

でも、もし運動が燃え盛っている時、火炎瓶を持った学生たちが国会を占拠して、時の政権を退陣させるようなことが起きていたら、それが成功体験となって、暴力行為が収まらなかった可能性はあるでしょう。暴力は、どんな国のどんな民族でも絶対に否定しなければ良くない結果を招くのです。

そう考えるとベネズエラはどうなんだろうと思います。ああいう暴力的なことで放逐してうまくいくのでしょうか。過去のイラクやアフガンを見ても、難しいのではないかと思います。本書はいいタイミングで書かれていると言えるでしょう。

(構成:泉美木蘭)

佐々木 俊尚 作家・ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ささき・としなお / Toshinao Sasaki

1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。毎日新聞記者、『月刊アスキー』編集部を経て、2003年よりフリージャーナリストとして活躍。ITから政治、経済、社会まで、幅広い分野で発言を続ける。最近は、東京、軽井沢、福井の3拠点で、ミニマリストとしての暮らしを実践。『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)、『そして、暮らしは共同体になる。』(アノニマ・スタジオ)、『時間とテクノロジー』(光文社)、『この国を蝕む「神話」解体 市民目線・テクノロジー否定・テロリストの物語化・反権力』(徳間書店)、『歩くを楽しむ、自然を味わう フラット登山』(かんき出版)など著書多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事