ラーメン店を「バイトテロ」で閉店に追い込んだ大学生4年生が"特定祭り"で炎上、内定取り消しで土下座の末路 『子供部屋同盟』4章③

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「裏の探偵事務所?」

「えぇ、知人の知人からの又聞きなんですがね。若松だか、若本だとかいう裏探偵に強請られて大損した政治家がいるとかなんとか……」

「その探偵事務所はどこにあるんですか?」

「現実世界にはありません」

「え?」

「ダークウェブにあります」

絢香はその後、上野さんとのやり取りを思い出しつつ、事務室のファイルの束を段ボールへ詰めていた。

途中でクリアファイルから何枚かの書類が床に落ちた。その書類の中に、面接時の履歴書を見つける。工藤の証明写真が右隅に貼られた履歴書──。絢香はその履歴書を、ガスコンロで燃やしたい衝動に駆られた。

実際、絢香はガスコンロに火を灯して、炎の上に履歴書をかざした。紙の端が飴色に変色したところで、我に返って手を引いた。履歴書を燃やしたところで、なんの報復にもならない。

報復──?

履歴書を手にしたまま、証明写真の人物をじっと見つめた。来年には大手企業に就職する、やや髪の茶色い、チェックのシャツを着た、若者の姿──。

レトロゲームのような作りの、奇妙な日本語サイト

その晩、ダークウェブへの接続方法を何時間かかけてネットで学び、苦心の末に紫色のたまねぎのようなアイコンをDLした。

上野さんのいう、若松だか若本だとかの探偵事務所を探してみるも、一向に見つからない。ブラウザに表示されるのは、意味不明の外国語サイトばかりだ。

諦めてウインドウを閉じると、逆にウインドウはいくつも開いていった。

そのウインドウの一つに、絢香はレトロゲームのような作りの、奇妙な日本語サイトを見つけるのだった。

──おめでとうございます、L41番さんの動機は、我々、子供部屋同盟に認められました。

──夫婦で営むラーメン店を一夜にして閉業の危機に追い込むとは、まったくとんでもない連中ですね。こやつらの所業は、とても若気の至りで許せたもんじゃありません。

──即刻成敗すべきです! 絶対に成敗すべきです! 速やかに成敗すべきです! こいつらを成敗できるのかと思うと、わたくしも俄然興奮してきました。年甲斐もなくわくわくしてきました。あぁ、早く成敗したい、成敗して気持ちよくなりたい……。

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