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中国の水産物「輸入停止」よりもヤバい資源の実態…1つの国に輸出入で過度に依存してはいけない

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  • 片野 歩 Fisk Japan CEO/東京海洋大学 特任教授

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ホタテ(写真:筆者提供)

中国は、日本の処理水の海洋放出に伴い、日本産水産物の輸入を全面的に停止したのが2023年8月でした。その後、約2年ぶりに禁輸措置が段階的に緩和され、2025年11月5日には国産ホタテの対中輸出が再開しました。しかし、外交・政治要因から、わずか2週間後の11月19日に日本産水産物の輸入を再び事実上停止しました。仮に今後再開されたとしても、いつまた停止になるのかわからない不安定な状況が続いています。

まずここで言えることが1つあります。それは、輸出入において1つの国に過度に依存してはいけないということです。確かに中国は重要な市場です。しかしながら、世界全体の市場や需給動向、そして歴史的な経緯を見れば、今回の水産物輸入の再停止による日本への影響は、全体としてみると限定的であることがわかります。

ホタテは中国以外の世界各国で引っ張りだこ

そもそも輸入停止から約2年あまりが経過する中で、日本側はすでに他市場向けの販路開拓や国内での消化を進めてきました。その結果、日本の水産業は中国抜きでもバランスが取れています。

中国向け輸出において大きな比率を占めていたホタテも、中国以外の世界各国で引っ張りだこになっており、輸出価格は過去最高を大きく更新しています。中国による禁輸前、冷凍のむき身(貝柱)の価格は2022年にはキロ2985円でしたが、今年(2025年1〜9月)の平均価格はキロ3877円と約3割上昇しています。

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