各ポータルは、大なり小なりドコモ、au、PayPay、楽天といったポイント経済圏との関係を構築している。4大サイトのうち、楽天とソフトバンク系のさとふるは、自社グループの持つポイント経済圏と直接的なつながりを有する。ふるなびも、自社のポイントプログラムを用意し、アマゾンのポイント等に変換することが可能だ。ふるさとチョイスは自社のポイントプログラムを早々に廃止し、独自路線を取る。
いずれにせよ、ポータル側にとって、ポイント還元という名の「撒き餌」で全国1080万人のふるさと納税の「顧客」(寄付者)を囲い込むメリットは大きい。ふるさと納税を足がかりに、多様な顧客層にリーチできるメリットが、ポイント付与のコストを上回っているとみられる。
例えば、流出するふるさと納税額が123億円(都税流出分などを含めると306億円)に達した世田谷区では、幅広い所得層の約16万人の住民がふるさと納税を行う。年収500万円超の所得層では、納税義務者の半数以上がふるさと納税を行っている。毎年1人当たり数万円分のポイントを付与するだけで、ポータル側は自らの経済圏に彼らを取り込めることになる。
「隠れ返礼金」で取り込む高収入世帯
ポータルビジネスが本格化したのは、2010年代中頃だ。各自治体が用意する返礼品の情報を集約し、決済サービスを取りそろえることで、ふるさと納税の利便性を高めた。ふるさと納税の規模が拡大する中で、業務のアウトソーシングの必要に迫られた自治体にとっては、サービスの拡充を進めたポータルへの依存度を高めることには一定の合理性があった。
一方で、ポータルへの未掲載は、自治体にとって、ふるさと納税市場への不参加を意味する環境が出来上がっていった。結果として、ポータル側が自治体に対し、市場支配力・交渉力の面で優越的となる構造が定着した。
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