――具体的にどう変えていきましたか。
既存ベンダーにおんぶにだっこだった体制を改め、SEJ自身が投資をし、システムの知的財産権も自社で保有するという大原則を策定した。基盤に用いるテクノロジーも、(オンプレに依存した)特定のベンダーにしか扱えないようなものではなく、グーグルなどオープンなものに限定すると宣言した。
これまで依頼してきたベンダーにとって美味しい内容ではない。しかし、真にSEJにとって最適なシステムを、SEJが主体となって構築していく体制を整えるために必要なことだった。今まではNECやNRIに限定されていたベンダー体制にも、日立製作所や富士通などが参入できるようになり、発注単価の競争原理も働くようになった。
こうして2020年に稼働したのが「セブンセントラル」だ。システムのクラウド化によって、販売から在庫情報への連携は最短1分まで短縮した。
店舗が発注を行うには、店内の事務所にあるストアコンピューター(ストコン)で行うというのがこれまでの業界の常識だったが、クラウド化によって今ではストコン自体をなくし、店外のタブレットから発注することもできるようになった(図参照)。

全社DXプロジェクトの頓挫
――SEJがデジタル基盤の刷新を果たした一方、親会社のセブン&アイについては、2021年にグループ各社の共通基盤をつくるDX計画が頓挫し、その後は担当部署の分裂や再統合、担当役員も更迭されました。明確な会社方針やリーダーシップの欠如が招いた、DXの典型的な失敗事例では。
この記事は有料会員限定です
残り 2247文字
