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「海水温上昇で魚が獲れない」「外国漁船が悪い」という声もあるが…。九州でアジやサバが冷蔵庫に入りきらないほど"大漁"のなぜ

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  • 片野 歩 Fisk Japan CEO/東京海洋大学 特任教授

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マサバ(写真:筆者提供)

暑い日々が続いています。東京では35度を超える日が珍しくなくなり、全国各地で40度を超える日が出てきています。地球温暖化が進んでおり、海面水温の上昇も指摘されています。

水揚げ量が激減しているという報道が多くあるように、これだけ暑ければ全国で不漁になりそうですが、そうとも限りません。アジ・サバは豊漁で九州北部の冷蔵庫に入りきらなくなっているのをご存じでしょうか。業界紙「みなと新聞電子版」では、「九州北部の産地冷蔵庫満杯 西巻好漁続きアジ入らず」と報じられています。

また九州だけでなく、サバに関しては福井県富山県といった日本海側でも大漁のニュースがあります。なぜこんなに暑いのにアジ・サバが大漁なのでしょうか。

海面水温が上昇しても豊漁なのはなぜ?

次の図は日本近海の海域平均海面水温の上昇を示しています。また次のページは2021年の海洋熱波の図です。それぞれ最新(2025年度)、令和6年度(2024年度)の水産白書からの引用です。

(出所)水産白書

現在、アジ・サバの豊漁で冷蔵庫に入りきらなくなっている九州の漁場は左側。それとは別に、サバの大漁報道がある日本海側は赤や緑の部分です。九州や日本海側の海面水温は、サバの不漁が深刻な太平洋側よりも高くなっています。高水温は不利と思われがちですが、実際には豊漁になっています。

「海水温上昇で魚が獲れなくなっている」と報道されているのに豊漁とは、これは一体どういうことなのでしょうか。また大漁のわりに、サバが安く出回ることがないのはなぜでしょうか。

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