
いま、自動運転が「自動運転2.0」へと変化しようとしている。
なぜ、このタイミングで移行するのか。自動運転にかかわるさまざまな現場をめぐりながら、自動運転2.0の必要性について考えた。
オランダ「TomTom」とアメリカ「Applied Intuition」
7月上旬、都内で2件の記者会見があった。
午前中に開かれたのは、オランダ・アムステルダムに本社を置く、地図情報関連サービス大手「TomTom(トムトム)」によるもの。
7000万km以上の路上をマッピングし、数十億のデータポイントを30秒毎に処理するなど、交通やナビゲーション情報を取得し、2024年から「Orbis Maps」を展開している。
実際にデモンストレーションを見ると、走行する自動車から得たデータ、行政機関や交通事業者のオープンデータなどを融合した、次世代情報プラットフォームとの印象だ。
そのうえで、TomTomの共同設立者で最高経営責任者(CEO)のハロルド・ゴダイン氏は、「近年、自動運転用の地図に必要な要件が大きく変わった」と指摘する。

以前は、いわゆる高精度3次元地図として、5〜10cmの精度を求めたが、測量のコストが高いために高速道路や主要道路などに限定されていた。
それが近年、車両側での位置情報やカメラなどによる周囲情報の処理能力が高まったため、それを支援するような地図データが必要になったという。
これは一般的に「AI(人工知能)を用いた……」とか「SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)として……」といった表現が用いられる技術領域だといえよう。
TomTomの会見のあと、午後は創業8年目を迎えるアメリカのスタートアップ「Applied Intuition(アプライド インテュイション)」の事業説明会に出席した。
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