手のひらを開き、指の腹を眺めてほしい。人ごとに形の違う、渦巻き状の指紋が見えるはずだ。2024年9月、その溝の隙間にも満たないサイズのMLCC(積層セラミックコンデンサー)が誕生した。長さ0.16ミリメートル、幅0.08ミリメートル。従来の世界最小品から体積は4分の1となる。
開発したのは、MLCCの世界シェア約4割を握る最大手で、「電子部品の王者」とも称される村田製作所だ。25年3月期の連結業績は売上高1兆7433億円、営業利益2797億円に達する。
あらゆる最終製品に欠かせない
なぜMLCCを制する者が「王者」なのか。砂のようなこの部品が、スマートフォンや自動車など回路を持つあらゆる最終製品に欠かせないからだ。電圧の安定や電流のノイズ除去を担い、これがなければ電子機器は成り立たない。
