和喫茶「おかげ庵」を第2の柱に育成中のコメダが、ひっそり「飲むスイーツ」の店を日本初出店。「第3の柱になれそう」と感じたワケ

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付加価値をつけ、高単価を狙える業態だ

ジェリコのような「スイーツドリンク」は高単価が取れる商品であることもコメダの狙いではないか。

これは偉大な先人であるスターバックスコーヒーの「フラペチーノ」の功績が大きいだろう。フラペチーノはベースの液体と氷をブレンダーにかけてフラッペ状にし、クリームなどをトッピングしたものだが、原材料に氷が占める割合がそれなりに大きい。

氷は言ってしまえば水だ。比較的原価が安く、高利益をあげられる……というのは有名な話。

フラペチーノは1杯500円台から季節限定商品は800円近く、ドリンク1杯の値段としては安くはない。

しかし、スイーツのような満足感やたびたび出る限定フレーバーなど、付加価値が大きく高価格帯でも売れる。人々はフラペチーノの印象に引っ張られ、スイーツドリンクに多少高い値段が付いていても違和感がない。

ジェリコは1杯580~830円(追加トッピングなしの場合)。ホイップやトッピングで見た目は華やかになるが、そこまで原価が高そうな素材は使われておらず、利益率の高い商品なのかもしれない。

そうした高利益商品を席の制約のないテイクアウトで販売できれば業績にも大きく寄与するだろう。

カスタマイズできる楽しさ、飲み物だけどスイーツ感覚、疲れたときにほっとする甘さ、など、また違ったかたちで「くつろぎ」を提供するジェリコ堂。今後もテイクアウト向けの立地に増えていくのではないだろうか。新たな需要を開拓できるか見守りたい。

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