朝営業することで、他の人気店と営業時間が被らないだけでも精神衛生上良いという。
栄市さんは常に嫉妬の塊で、新店がブレイクするたびに嫉妬しているそうだ。お客さんの少ない日は、ダサくてもXで「お掃除タイム入ります」と発信し、行列のないことをアピールして、1人でも多くのお客さんを集めるように心がけている。

「朝ラーはコロナ禍で夜営業が難しいときに一気に増えました。うちもやれば来てくれるだろうと思っていましたが、現実はそれほど甘くはなかったです。
でも、コロナ禍で以前より夜飲み歩く人が減り、朝の大事さに気づいた人が増えた気がします。以前と価値観が変わり、朝ラーも少しずつ認知されるようになってきました。女性のお客さんで『ラーメンも朝食べるなら罪悪感が少ない』と喜んで通ってくれている人もいます」(栄市さん)

「早起きは三文の徳」と昔から言うが、コロナをきっかけに生活スタイルが変わり、朝を有意義に過ごすと時間が得した気分になるという声は多い。
朝ラーも同じで、平日の昼にはなかなかラーメン屋の行列には並べなくても、朝早くからなら並んで食べることもできる。朝6時からという「えーちゃん食堂」の振り切った朝ラーが人々の新しい価値観にフィットしたのだ。
「オープンした頃、うちの店の前を朝ウォーキングしている年配の女性の方から『朝になんかラーメン絶対食べないでしょ』と言われましたが、数カ月後に行列ができているのを見てめちゃくちゃ喜んでくれたんですよね。信念をブラさずにやり続けることの大事さを感じました」(栄市さん)
「えーちゃん食堂」の朝ラーで最高の一日を

「えーちゃん食堂」のブレイクから朝ラーを始めるお店はいくつか出てきたものの、やはりそれはほんの一部にすぎない。栄市さんも今後朝ラーがこれ以上増えることはなかなか考えづらいと分析する。
「個人店で朝ラーをやるのは正直厳しいと思います。生活が真逆になってしまうので、人ともなかなか会えないですし、遊びにも行けません。
時間帯的なチャンスはあると思いますが、やる人は増えないでしょうね。もちろんチェーン店なら別ですが」(栄市さん)
栄市さんは朝ラー前提でお店をオープンしているから強い。朝イチで「えーちゃん食堂」の絶品ラーメンを食べれば、その日は最高の一日になるに違いない。

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