この未上場グループの正確な姿はまだ一般には知られていない。冒頭のサラワクプロジェクトの注目度が高いため、藻の会社や、藻由来のSAF(航空用バイオ燃料)製造を目指す会社と一部で見られているが、それは正しくない、「藻は事業のうちの5分の1に過ぎない。まして自社でプラントを建ててSAFを製造する考えはまったくない」。創業者でもある藤田朋宏・ちとせグループ最高経営責任者(CEO)は言う。
グループの簡略図表でもわかる通り、実際やっている事業は藻を含めて5つある。シンガポールに置く、ちとせバイオエボリューションがグループの統括会社の役割を果たし、国内のちとせ研究所が事業の中核を担う。国内に加えすでにマレーシア、タイ、ベトナムなどにも子会社・支店を設け進出、事業エリアは東南アジアにまで広がりを見せている。

実は2011年のグループ発足以来会社が追い求めてきたのは、石油に代わる次世代のバイオ産業を創造し、その世界的なリーダーの一角を占めることだ。大規模に見える藻の事業も、壮大な構想から見れば小さいということだろう。
世界の先頭を走る藻、高度な独自技術に強み
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