キリン「生茶」がわずか65円!各社が値上げラッシュの中、スーパーやドラッグストアで格安飲料がズラリ・・・飲料メーカーが抱える“ジレンマ”とは?
よく用いられる手法がリベート(販売奨励金)だ。メーカーは取引先の小売店に対し「何月までにこの数量を売ってくれたら、この金額を支払います」と提案する。
承諾した小売店は客の目につきやすい入り口付近に商品を積み上げたり、他社品より目立つPOPをつけるほか、店頭価格を抑えるなどしてよく売れるよう工夫する。
業界全体の取り組みが必要
結果として、値上げしたのにリベートなどで値下げする、という事態が起きている。

キリンは昨年10月に生茶(525ミリリットル)の希望小売価格を20円引き上げ、税抜160円から180円となった。しかし、小売店における平均店頭価格をみると、2024年5月に税抜72円だった生茶は、2025年5月に同75円と、わずか3円しか上がっていない(True Data「ウレコン」、スーパー、ドラッグストアのデータを基に集計)。
サントリー食品インターナショナルの国内飲料事業を統括する内貴八郎専務は「売りが下がる怖さを勇気を持ってなんとか止めて、業界全体で飲料の価格を上げられたら 1 番いい」と語る。
飲料メーカーがこだわりをもって商品を開発・製造しても、薄利多売が続けば、消費者や小売店が抱く商品へのイメージや価値は一向に上がらない。コスト増で土俵際に追い詰められているメーカー各社は、まさに今、大きな転換点を迎えている。
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