「温泉旅行で同じ部屋に宿泊」「終電逃して相手の家で一夜」“異性の友人”として30年「何もなかった」男女が46歳で結婚するまで

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先に折れたのは健一さんのほうで、「そろそろ会わないとな」と思い立って洋子さんを飲みに誘ったという。洋子さんも何事もなかったかのように応じ、それからは「1カ月半に一度」のペースで一緒に飲みに行くようになった。なぜ結婚することになったのか。洋子さんはいまだに首をひねるが、健一さんのほうは久しぶりに会って楽しく飲めて洋子さんへの気持ちが深まった。

「ただし、付き合おうとか結婚しようとか、そういった言葉は一切交わしていません。結婚後の変化と言えば、僕が住んでいた借り上げ社宅が独身用だったので、広い部屋を借り直したぐらいです。会社では結婚して性格が丸くなったと言われていますが、僕自身はあまり変化を感じていません」

46歳初婚同士だが、20年ぐらい前に結婚していてもおかしくなかったような口ぶりの健一さん。仲は良いけれど個人主義的な両親と妹は「普通に祝って喜んでくれた」らしい。

アラフォーで大借金を負ったが…

一方の洋子さんは普通とはいいがたい家庭環境で苦しんできた。奔放な母親は若い男性と一緒に海外に行ったきり戻って来ない。不動産業を営む父親は億単位の負債を作り、洋子さんとその弟も連帯保証を負うことになってしまった。

「39歳のときでした。それまでは『結婚できたら子どもも産むよ』という気持ちだったんです。その機会がなかっただけでした。借金ができてからは私と結婚しようという男性はいなくなり、父親に嫌味を言ってみたんです。『それでもいいから、と言い切れるような男気のあるヤツを連れてこい』と返されました……」

健一さんにそんな「男気があった」わけではない。洋子さんは弟と協力して借金問題をなんとか片付けた。少なくとも他の人には迷惑がかからない。健一さんと再会したのはそんなタイミングであり、健一さんもだから結婚して家族になる決断ができたと認める。

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