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【人気記事を再配信】「タトゥーが入ってる女将の店なんて不味そう」「この恥が!」トチョニカペペさん(25)が、誹謗中傷されても“創業80年の店”を継いだワケ

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  • 肥沼 和之 フリーライター・ジャーナリスト
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ぺぺさんは「なんて格好いい人なんだ!」と感激したという。

こうして無事に高校を卒業。就職や進学はせず、かといって実家で働くことも考えず、スナックやバー、タピオカ屋などでアルバイトをした。だが面白いと感じられず、お金もあまり稼げなかった。

たまらず母親にグチを言ったところ、返ってきたのは「周りのせいにするな」という、かつてと同じ説教。結局、実家に戻って加一で働くことになった。ペペさんが21歳のときである。

実は小さいころからずっと店で過ごし、手伝いもしてきたため、ごく自然な流れだったという。

だが当初、ペペさんが加一で働くことに、母親は猛反対した。なぜなら休みは週1日、GWや夏休みもなし。しかも当時はコロナ禍の真っ只中で、飲食業は大打撃を受け、先も見えない。母親は「永湖に辛い思いをさせたくない。自由にしてほしいから、できれば家を出てほしい」と懇願した。

インタビューを受けるぺぺさん(筆者撮影)

「てめえ、そんなの見せてんじゃねえよ」

だが、加一で働くというペペさんの思いは変わらなかった。

「(労働環境や停滞する状況など)お店をこれから変えていこうよ、って伝えたんです。昔と同じじゃなく、よいふうにみんなで変えていって、加一を盛り上げよう。『だから決めたよママ、うちは大丈夫だから気にしないで』と言って働くことになりました」

とはいえ、足利というのどかな町で、タトゥーだらけのペペさんの風貌は目を引く。ホール業務をしていると、客から冷たい目で見られたことも。ぶりかまを食べていた老人からは、いきなり罵詈雑言を浴びせられたという。

「『てめえ、そんなの見せてんじゃねえよ、この恥が! お前の親の代わりに俺が怒ってんだよ、感謝しろ』って怒鳴られました。そのおじさん、来るたびにチクチク言ってきたんですけど、威勢がいい接客をずっとしていたら、『やるじゃねえか、気に入った。頑張れよ』って(笑)。それからはものすごく愛想よくしてくれます」

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【店内のBGMを「R&B」に】

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