激安500円ランチで人気を博した≪さくら水産≫、高価格シフトで店舗激減し「もう出店の予定なし」!再起かける”新ブランドの店”を現地調査

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

それ故に、過去のレガシーを引きずるのではなく、新しい屋号を掲げた方が得策だったと言える。テラケン代表取締役の野田安秀氏は「魚がイチバンに関しては、改装前がさくら水産だったと知らない若い人も多く来店している」と話す。

同様に、看板変えによるイメージ刷新の好例が、『金の蔵』で一世を風靡したサンコーマーケティングフーズだ。2009年に全品270円を掲げて参入した同社は、現在は海鮮に特化した飲食業態が堅調だ。居酒屋業態の『アカマル屋鮮魚店』を筆頭に、寿司居酒屋の『まめたい寿司』や、海鮮丼の『牧原鮮魚店』など、ブランドを細分化して展開している。結果、消費者からはチェーン店のイメージが薄れ、金の蔵の“安価な総合型居酒屋”を感じさせない戦略が定着している印象だ。

女性客をつかむ工夫

魚がイチバンに話を戻せば、内観を明るくした点もイメージ刷新につながった。

些細なポイントに映るが、かつてさくら水産は大量出店を進めるため、賃料が低い地下階を契約するケースが多かった。そこに老朽化が重なったことで、店内は薄暗く、新規客が遠ざかっていた。客層の高齢化が進むなかで、新規の若年層を取り込むため、店内は明るく開放的な雰囲気を持たせた。店内の一部には立ち飲み出来るスペースを設け、トレンドを取り入れたことも、客層の若返りにつながったという。

「魚がイチバン 九段靖国通り店」の内観(写真:筆者撮影)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事