
2025年4月23日~5月2日に開催された「上海モーターショー(オート上海)」では、日本勢が電気自動車(EV)の新モデルを披露して、中国で出遅れている電動車の劣位を挽回しようとする勢いが見られた。
トヨタ自動車は、現地開発したEVセダン「bZ7」を世界初公開し、ファーウェイのスマートコックピット「鴻蒙座艙(Harmony Space)」を初搭載。「走るスマートフォン」として、消費者のニーズに合わせた現地化戦略を推進している。

中国では、車両の電動化が知能化と相まって加速する中、これまでエンジン車を購入していた消費者が、EVより走行距離とコストのバランスを取れたプラグインハイブリッド(PHEV)、人工知能(AI)や自動運転補助機能を備えるSDV(ソフトウェア定義型車両)市場に流れており、エンジン車販売は減少の一途を辿っている。
日産24.6%減、ホンダ28.2%減の中で
新車需要の変調は、日系自動車メーカーの中国事業に大きな影響を与え、ブランドの明暗を分けた。
2025年1~4月の販売台数では、日産が前年同期比24.6%減、ホンダが28.2%減、マツダが5.0%減に。
それに対し、トヨタはハイブリッド車(HEV)などを豊富にラインナップする優位性を生かし、主力モデルの値下げによって、多様な需要を取り組むことに成功し、7.7%増となった。

またトヨタは、中国で生産能力の削減や経営規模の縮小に踏み切ったホンダや日産とは一線を画し、消費者の知能化体験と、安全性・信頼性の向上を同時に進行する戦略を示した一方、レクサス・ブランドの中国生産にも取り組んでいる。
はたして、日本の自動車産業を牽引するトヨタは、中国市場に逆襲できるのか。現地で苦戦する多くの日系サプライヤーから、強い関心が寄せられている。
消費者の節約志向が続く中、中国政府は昨年から、EVとPHEVを中心とする新エネルギー車(NEV)や、排気量2.0リッター以下の内燃機関車の買い替えに対する補助金を実施し、消費喚起を図っている。
その結果、2025年1~4月の新車販売台数は、前年同期比10.8%増の1006万台に達し、新車市場の電動化率も42.7%を記録した。
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