社長交代で始まるトヨタ自動車の新たな挑戦/中国勢が握る次世代車の覇権、新車の価値はソフトウェアが決める時代に

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『トヨタの挑戦』特集バナー
ハードからソフトの時代へ――。自動車業界では、AIと半導体の進化を武器に常識を覆す新興勢力も次々と台頭。地殻変動が市場を揺るがす中、巨艦トヨタ自動車の新たなチャレンジが始まる。『週刊東洋経済』4月11日号の第1特集は「トヨタの挑戦」だ。
週刊東洋経済 2026年4/11号(トヨタの挑戦)[雑誌]
『週刊東洋経済 2026年4/11号(トヨタの挑戦)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

「トヨタと産業の未来のために経営チームのフォーメーションチェンジが必要だ」。トヨタ自動車の佐藤恒治社長(当時)は報道陣を前にしてそう語った。

2026年2月6日、トヨタは社長交代を発表した。4月1日付で佐藤氏は社長の職を3年で降りて副会長に就任し、後任にはCFO(最高財務責任者)を務めた近健太氏が就く。

「(3年という期間は)正直短い。ただ、『まだ3年だけど、もう3年』だ。自動車業界のスピードはそんな生ぬるいものじゃない。かつての時間軸と今の3年はまったく違う」。佐藤氏が語るように、経営環境の変化のスピードに対するトヨタの危機感は強い。

新社長への期待

主力市場のアメリカでは、トランプ大統領が就任後、EVを普及させるための購入支援策や環境規制を次々修正。一気に市場が広がるとみられていたEVは、その伸びが急速に鈍化している。

発動から1年を迎えるトランプ関税は、年間で1.4兆円の減益要因となってトヨタの収益を大きく圧迫する。

さらに世界最大市場である中国では、比亜迪(BYD)や吉利汽車(ジーリー)といった地場の自動車メーカーが急速に台頭。中国市場だけでなくグローバルサウスにも進出し、日本車の市場を食い荒らす。

激変する世界において、新社長の近氏に期待されるのは、財務畑出身としての「収益体質強化」だけではない。先進技術開発子会社のウーブン・バイ・トヨタのCFOとして培ってきた第三者視点と、周囲を巻き込んで連携の枠組みを生み出す推進力だ。

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