
子どもの頃の近視進行や目の怪我が、数十年後の眼疾患に繋がる恐ろしさを語り合った(柿島氏<右>の写真は本人提供、窪田氏の写真は撮影:梅谷 秀司)
「近視になってもメガネをかければいい」と思っている人は少なくないが、実は近視は将来的に失明につながる眼疾患の発症リスクを高める、危険な疾患なのである。しかし、身近に眼疾患の経験者がいなければ、その実感が湧かない人がほとんどではないだろうか。
『近視は病気です』の著者であり、近視の予防を呼びかける眼科医である窪田良氏の対談企画。今回は、NHK Eテレで放映されたアニメのテーマソングの作曲者としても知られる、シンガーソングライターの柿島伸次さんをお招きし、幼少期に近視になり、50代で網膜剥離を発症したリアルな体験談を語っていただいた。
第2回は、目にボールが当たるなどの幼少期のケガが、大人になってからの目の状態にどんな影響を及ぼしているのかを見ていく。
強度の近視があると網膜剥離になる可能性が高くなる
窪田:前回、柿島さんが57歳で網膜剥離を発症したときの症状や、手術後に「ものが歪んで見えるようになった」というお話を伺いました。
実は、強度の近視があると、大人になってから網膜剥離や緑内障といった眼疾患になるリスクが高くなることが分かっているのですが、柿島さんは小さい頃から目は悪かったですか?
柿島:小学4年生くらいから近視になり、メガネをかけ始めました。たしかその頃の裸眼視力は0.4くらい。その後徐々に悪化し、網膜剥離になる前には0.04くらいしかなかったと思います。
窪田:それは強度の近視ですね。柿島さんの場合、近視の影響で網膜剥離のリスクが高まっていたのかもしれません。
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