窪田:うまく治療ができないと、早い段階で緑内障になってしまったり、水晶体の脱臼を起こしてしまったり、他の眼疾患を引き起こす可能性が高まるので注意が必要です。
柿島:スポーツをする時には気を付けないといけないですね。
窪田:おっしゃる通りです。最近では強化プラスチックのメガネなど、目を保護するための商品も販売されています。スポーツによってはそうした対策が推奨されているものもあるので、積極的に取り入れてほしいと思います。
ボールがぶつかった影響で片目だけ白内障が進むことも
柿島:目にボールがぶつかったことで、時間が経ってから影響が出ることもあるんですね。
窪田:ありますね。白内障の患者さんで、片方だけものすごく進行している方は、よくよく話を聞いてみると「小さい頃にボールをぶつけたことがある」とおっしゃる方が多いです。ボールをぶつけた際に、レンズの中でごく微小なひび割れが起こっていて、それがきっかけで白内障が進んでしまったのだと思います。数十年経ってみると、片方だけ強く白内障が起こっていたという状態になることもあります。
柿島:私は今回、網膜剥離になるまでは、小さい頃にボールが当たっていたことを忘れていました。そういえば、と思い出したくらいで。同じように忘れてしまっている人も多そうです。
窪田:そうですね。40年、50年経ってから後遺症が出ることも珍しくないんです。子どもって、親が知らないところでケガをしていることがありますよね。その時は大したことがないと思って放っておいたり、しばらくすると痛みがなくなって忘れてしまったりするのですが、その影響が何十年も経ってから出てくる。そう考えると怖いですよね。
次回、さらに柿島さんの話を伺いながら、術後に症状が出たという「不同視」(ガチャ目)について解説していきます。
(構成:安藤梢)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら