欧州の新型車が集結「列車のテストコース」とは? 各国の鉄道技術支えるチェコの巨大な「周回線」
完全新設計の車両は、EUおよび各国の運輸省が取得を義務付けている認証を得ていないため、本線上での試験走行は線路封鎖をしない限りどの国であっても認められない。だが、試験周回線として登録されたヴェリム試験センターでは、それを行うことが可能となっている。この周回線を使って走行を重ね、認証に必要な条件をすべてクリアできれば、そこで初めて本線での走行が可能になる。
こうした走行試験場は、欧州にはヴェリム以外にも存在する。例えばシーメンスは独自の走行試験周回路を保有している。しかし、最高時速200km以上で走行できる周回路を持つのは欧州でヴェリムが唯一となっており、それゆえシーメンスも有力な顧客の1つとして、多くの新型車両を持ち込んでいる。

チェコの「最高速度記録」達成の場にも
ヴェリム試験センターの歴史は古く、建設は1960年に始まり、1963年に開業した。当初はチェコスロヴァキア国鉄(当時)の走行試験場として運営され、1964年8月27日には同国の誇る急行用蒸気機関車498.1型(アルバトロス)が最高時速162kmを記録している。
1972年には電気機関車のE469型3030号機(

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