「御上先生」最終回で令和の金八先生が贈る言葉は オールドメディアに託される「社会的正義」とは?

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想起したのは、2019年に日本テレビ系で放送された菅田将暉主演『3年A組-今から皆さんは、人質です-』だ。「こりゃ『3年A組』みたいな、きな臭いドラマになるぞ」と身構えたものだった。

しかし、あれよあれよといううちに、無表情で冷徹な御上先生が、後述するような現代的問題を抱える生徒たちのハートを鷲づかみにし、課題解決への道筋を作っていく。

そして私は「これって一周回って『青春学園ドラマ』やん、『3年A組』とは違うやん」と安堵しながら、徐々に目を輝かせる生徒たちを確かめ、この作品を受け入れていったのである。

これでもかと散りばめられた現代的問題

『御上先生』の2つ目の魅力は、先に述べたような現代的問題を巧みに散りばめている点だ。

ドラマとしてのコアが「昭和から一周回った青春学園ドラマ」だとしても、このコアを囲む形で、極めて現代的な問題が、これでもかこれでもかと散りばめられていることが、ドラマを古く見せず、逆に鮮度を与えている。

「自殺」「発達障害児への差別」「親からのDV」「ジェンダー問題」「ヤングケアラー問題」「相対的貧困」「学習指導要領による教師の拘束」「PMS(月経前症候群)」「アメリカにおける原爆投下の語られ方」「官僚の疲弊」「裏口入学」「障害者問題」「性加害問題」……。

ドラマの中で取り上げられた問題をランダムに並べてみた。現代的問題から「古くて新しい」問題まで、これでもかこれでもかとパンパンに詰まっている。

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