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「絶滅危惧種」のウナギ、成長ホルモンや抗生剤などの薬を使わない「無薬養鰻」に取り組む大分県の中小企業

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おいしい鰻を誰もが気軽に食べられるようになるのはうれしい。しかし、だからと言って毎日食べたいかというと、それも疑問だ。改まった会食、頑張った日のぜいたくなランチなど、ちょっと手の出にくい魅力的な食事。生態に謎が多く、ミステリアスな鰻には、そんな地位がふさわしい気がする。

山田水産の新たな挑戦「うな骨らーめん」

さて、同社の新たな挑戦は食品ロス対策だ。自社工場で出る鰻の骨からスープをとったラーメンを開発、2024年11月、東京・築地に「山田のうなぎ うな骨らーめん 築地本店」を出店したのだ。

2024年11月に出店した「山田のうなぎ うな骨らーめん 築地本店」。鰻の骨からスープをとったうな骨らーめんや、蒲焼などの鰻メニューを提供する(撮影:大澤誠)

「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」と言われる鰻の調理だが、同社では工場で完全自動化することにより、蒲焼の大量生産を可能とした。裂いて蒸した後、炭火による焼きとタレつけを4回繰り返したのち、急速冷凍して全国に出荷している。

同店では、うな骨らーめんのほか、その自慢の鰻によるメニューを提供する。おすすめは、ラーメンと「うなぎ飯」の両方が楽しめる「山田のうな骨らーめん・小うなぎ飯セット」(2800円)だ。

一押しの「山田のうな骨らーめん・小うなぎ飯セット」(2800円)。ラーメンと鰻、そしてご飯と鰻、双方のハーモニーが楽しめる。スープは豚骨のように濃厚だが、香りは鰻で、後口もさっぱりしている(撮影:大澤誠)
「山田のうなぎ」と「山田のうなぎ 白醤油焼」(いずれも3000円)。弾力があり、旨みとともに力強さを感じさせる。一般の白焼は脂っこい印象があるが、「白醤油」を使ってあるためか、さっぱりとしている。名脇役の山椒は和歌山産のものを使用。香りが高く、ラーメンとの相性もよい(撮影:大澤誠)

「鰻屋というとちょっとハードルが高いが、ラーメン屋なら若い人も、外国人も入りやすい。ラーメンをきっかけに、江戸時代から続く食文化を好きになってくれれば」(山田氏)

「無薬で育てた、山田の鰻」にこだわって開発。余計なものを食べていないから、骨も健康だ。飲み干せるぐらいおいしくて、塩分にも配慮したスープとしている。麺を食べて、残ったスープをうなぎ飯にかけて食べてもよい。豚骨に似た濃厚なスープだがしつこくない。スープに浸ったやわらかい鰻をご飯と一緒に頬張ると、ジャンキーなような、上品なような、不思議なぜいたくさだ。添えられた大葉がさっぱりとさせてくれる。

鰻の新たな可能性を示すうな骨らーめん。どこまで広げられるかが、同社のこれからの挑戦になるのだろう。

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