「コンサル覆面座談会」 コンサル会社は天国か?地獄か? 最高年収4000万円、”上司ガチャ”、余剰なコンサル…

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うちでは都内のある地下鉄駅の前に一棟丸ごと、クライアントからのアサイン(割り振り)がなく、アベイラブル(余剰)なコンサルたちが通っているタワーがあるんですよ。ここ数年、採用で人を採りすぎたせいかも……。そこでは室内で読書をしたり、暇なとき、本社のあるエリアまで散策に行ったりしています(苦笑)。

システム開発中止も。つねに訴訟は頭の中にある

──近年ではシステム開発が中止となる例も目立ちますが、コンサル側やクライアント側はどうみているのですか。

D 中止するにしても、最終的にはお客さんに決断してもらう。「そう決める」と言われたら、従いますが、僕たちの考えも伝えます。結局、クライアントの「何がしたいか」をヒアリングするのが難しいのだけど、自分たちが反論するなら最初の要件定義の段階がいちばん言いやすい。

例えば、いきなり100点満点を目指すのではなく、いったん70点くらいでカットオーバー(稼働)させて、それからあと30点伸ばす、という手もあります。一般的に官公庁向けは予算が決まっており、追加のカネはもらえませんが、それに比べれば民間向けはまだ融通が利きますね。

F うちはSAPを導入・運用してもらっています。コンサルさんには、大手なら人月(にんげつ)単価で400万円、それ以下の会社なら人月300万円いくかどうかで発注しています。大手コンサルであれば、OBたちでつくる2次請けの協力会社もありますよ。そこでは上の世代が詰まってますからね。

(客の立場から)向こうの開発の期間が延びて、納品が遅れた場合、最初の提示額から追加で支払ったこともあります。「この要件で合意しましたよね」と、こちらにも過失がある形になったので……。こんなに払うんなら違うところを使ってたという感じです。

C つねに訴訟は頭の隅にあります。議事録はちゃんと書くし、相手もチェックしていて、成果物を納めるはず。クライアントが嫌がることも、説得してやらないといけないときがあるし……。メリットの説明を尽くして、けんかにならずにプロジェクトが完成すると、やりがいを感じますね。

(構成:大野和幸、田中理瑛)

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大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。資産運用や相続、年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。大野和幸(X) 「コンサル業界の新盟主 進撃のアクセンチュア」

 

 

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田中 理瑛 東洋経済 記者

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たなか りえ / Rie Tanaka

北海道生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。ゲーム・玩具、コンテンツ、コンサル業界を担当。以前の担当は工作機械・産業用ロボット、医療機器、食品など。趣味は東洋武術。

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