不二家の「ドーナツ専門店」"大反響"も納得のワケ もともと持っていた強みを活かせる業態だった

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ドーナツ以外の新事業も拡大中

話を戻そう。国内では、ドーナツ以外の新事業も始まっている。特に注力しているのが、天然水市場への参入だ。

不二家ネクター
不二家ネクターは2024年に発売60周年を迎えた(写真提供:不二家)

近年、地震などの自然災害時における備蓄需要に加え、健康志向の高まりから、高品質な国産天然水市場は右肩上がりで成長し続けている。

現在、不二家は富士裾野にあるホームパイ工場の敷地内に天然水のボトリング工場を建設しており、2025年12月に生産を開始予定だ。

興味深いのは、この事業でも「既存リソースの掛け算」が徹底されているところ。

天然水自体は、これまでホームパイ製造にも使用してきた水源を活用。また、飲料水の「ネクター」「レモンスカッシュ」などで培った生産・販売ノウハウも活かしている。つまり、既存のリソースを掛け合わせているのだ。

まさに、ドーナツ事業で成功した「ブランド資産の再編集」手法の応用である。それが確実に、消費者に刺さるアウトプット、新業態として生まれ変わっている。

ペコちゃんmilkyドーナツ
ペコちゃんmilkyドーナツは、不二家のリソースの結集だ(写真提供:不二家)

2022年9月には新たにベトナムにも合弁企業を設立し、2025年10月頃には、クッキーをメインに現地での生産を開始する計画も進める不二家。

将来的には、ASEAN諸国にも販売網を広げる予定だ。そこでは果たして、どんなリソースが組み合わされるのだろうか。

【もっと読む】不二家「ミルキー味のドーナツ」一体なぜ生まれた ロングセラーを新業態に生まれ変わらせる戦略 では、不二家が新たに始めたドーナツ専門店の魅力について、ライター・編集者の笹間聖子さんが詳しくお伝えしている。

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