からあげを食べず、塩辛だけ食べて帰る人も
いかの塩辛は、関係業者から仕入れて提供しています。検討に当たって各業者からさまざまな商品を持ち寄ってもらい、試食したのは20~30種類。最終的には、しょっぱすぎたり風味が強すぎたりしない、クセのないものを選びました。
こうして生まれた、いかの塩辛。「無料だからいいや、と考えるのではなく、無料であってもいいもの、いい状態を提供したい」という考えから、壺には詰め込みすぎず、少量を入れてつねに新鮮な状態で食べられるように工夫しているそうです。
こうした工夫もあってか、1号店では学生客などがご飯とみそ汁を単品で頼み、からあげではなくいかの塩辛だけを食べて帰るケースも結構あったとか。
「ある店舗がオープンしたときに、一部のメディアで『いかの塩辛がおいしいからあげ店がオープン』といった形で紹介いただきました。その店舗では、いかの塩辛が通常の倍ほど消費され、近くの配送センターまで取りに行くほどの大人気でしたね」(山田さん)
からやま=いかの塩辛というイメージも広がり、現在は1店舗当たり1日に4キロが消費されています。割干大根は3キロだそうなので、どれだけいかの塩辛が人気かがわかります。
中には「塩辛を持ち帰りたい」というお客さんもいたようで、2022年11月には店舗で「からやまのいかの塩辛」を発売。月に2万パックほどを販売しているといい、「取り扱っていただける小売店さんが増えれば、まだまだ売り上げは伸びるはず」と山田さんは期待を寄せます。
からやまの利用者で、ご飯の大盛りを注文しているのは全体の4割ほど。半数近くが注文していると考えると「ガッツリ食べたい」という人から、からやまがいかに人気かわかります。
物価高が続く中で無料を維持するいかの塩辛は、からあげに隠れたそうした需要をすくいとる、まさにいぶし銀のメニューです。
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