中国新興EV「極越」、"設立3年で経営破綻"の真相 バイドゥと吉利集団の合弁メーカーに何が?
2024年9〜10月、銀行から極越への信用貸し付けが満期を迎えたものの、新たな資金が口座に入金される様子はなかった。そこで銀行は貸し付けを更新しないことを決定。極越のキャッシュフローは逼迫し、事業縮小と従業員の整理を開始、最終的に破綻した。
財新の調べでは、バイドゥから極越への累計出資額は約50億元(約1000億円)、吉利は約30億元だ。一方、極越の2023年の年間損失は約40億元に上った。2023年末、同社の取締役会は2024年予算を公表。年間損失は70億元と予想し、実際に損失は約70億元だった。
2024年12月11日、夏一平は突如、ビデオ会議で全社員に連絡し、会社の危機を告白した。「極越は困難に直面しており、早急な調整が必要だ」と語り、11月の社員の社会保険料を会社が支払っていないことも明らかにした。
傲慢だった経営手法
同社は社員に対し、2つの選択肢を提示した。1つは、補償金付きで自主退職する(ただし補償金の見通しは不透明で、支払いは早くても25年2月15日)というものだ。もう1つは無給で在籍し続けるというものだが、その場合の在籍枠は極めて少なかった。株式市場で「現地解散」と呼ばれたこの提案は、極越の資金繰りが破綻したことの証左となった。
同社は12月13日に営業再開を通知したが、財新の取材により、販売部門が業務を再開していないことがわかった。現場に戻った一部の社員は、主に同社の資産を守るために出社していた。極越の破綻後、全国のディーラーが自動車の「差し押さえ」を始めたからだ。
夏一平は商品開発、販売、資金調達など多くの面でバランスが取れていなかった。冒頭の長文の中で、「私は細部にこだわりすぎて、チームの自主性や創造性を抑制してしまった。多くの同僚の忠告を無視し、問題を修正する絶好の機会を逃すこともあった」と述べた。複数の極越関係者は、夏一平の経営手法は傲慢だったと指摘している。
(財新記者:余聡、蒋飛、劉沛林、屈運栩、原文は12月16日に配信)
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