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「金利ある世界」で一つの「財政の神話」が終わった 国債の利払い費が増加に転じ、政策的経費を圧迫

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  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授

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通常国会は1月24日に召集される予定(写真:genki / PIXTA)

2025年が始まり、通常国会が召集されると2025年度予算政府案の審議が始まる。

第2次石破茂内閣は少数与党であり、予算案の審議は様変わりするかもしれない。場合によっては、予算案の修正を野党から迫られ、受け入れなければならないかもしれない。

ただ、日本国憲法の規定により、予算提案権は内閣にしかない。野党は修正案を出すことしかできない。過去に、予算案の修正が行われたことがあるが、その修正は、予算総額の枠内でのものであり、枠を越えての修正は通常行われない。過去には少数与党内閣はあったが、兆円単位の減収を伴う予算修正は前例がない。

決算でもすでに利払い費は増加に転じている

第2次石破内閣は、2024年12月27日に2025年度予算政府案を閣議決定した。本稿執筆時点では、閣議決定したこの予算案を国会に提出するとみられる。

2025年度予算案の一般会計総額は115兆5415億円と、過去最高となった。2024年度当初予算にはあった原油価格・物価高騰対策及び賃上げ促進環境整備対応予備費1兆円を削ったにもかかわらずである。

主要経費も当初予算ベースで軒並み過去最高を更新した。社会保障関係費は高齢化を受けて38兆2778億円と過去最高、防衛関係費は2024年度と比べて7519億円増えて過去最高の8兆6691億円と、2024年度一般歳出(政策的経費)のナンバー2の費目におどり出てさらに伸ばした。

地方交付税交付金は、その財源となる税収が増えたことを受けて18兆8848億円と、2010年度の17兆0945億円を超えて過去最高を更新した。国債の元利返済に充てる国債費も過去最高の28兆2179億円である。

国債費が過去最高となるのは、国債残高が増えて返済するための費用がかさむことと、金利が上がり始めており利払い費が増えることが背景にある。

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