9日間の世界一周挑戦で「地獄を見た」50代弾丸旅 目指すは100万マイル ベッドで寝たのは7時間

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結局、エールフランス航空・ロンドン発パリ行きがキャンセルとなり、ヨーロッパ内のルートを大幅に組み替える必要が出てきた。ボストンでは乗り継ぎに4時間の余裕があり、市内観光をしようと決めていたが、当然それどころではない。ひたすらラウンジでスマホと格闘する羽目となった。

ロンドンからドーバー海峡を渡る選択肢は限られていた。最初はユーロスター(英仏海峡トンネルを通ってイギリスと大陸ヨーロッパとを結ぶ国際列車)でパリに移動すれば楽勝と考えていたが、直前ということもあり、片道4万4000円もかかる。

ロンドンのスタンステッド空港
ロンドンのスタンステッド空港。出国のセキュリティで53分待ちとなった。空港内は大混雑、明らかにキャパシティオーバーである。これは欧州の空港に共通した現象だった(写真:筆者撮影)

やむなく、ロンドン・スタンステッド空港から、ライアンエアーでプラハ(チェコ)に飛んだ。

同行のA氏は珍しく体調の悪化を訴え、搭乗直前まで空港のベンチで横になっていた。私たちは、命に関わるケースでないかぎり、どちらかの体調が悪化したら現地に置き去りにして、元気な方は旅を続行する、という約束を交わしている。

幸い、A氏は回復したので、プラハに置き去りにせずに済んだ。

前代未聞のミスで窮地に追い込まれる

プラハのクリスマス
プラハでは乗り継ぎ時間の間に市内観光を。旧市街の中央広場にそびえるクリスマスツリーが美しかった(写真:筆者撮影)

プラハからルーマニアの航空会社タロムに乗り継ぎ、ルーマニアのブカレスト空港から民泊に徒歩で到着したのは午前2時17分。翌朝4時48分に宿を出た。睡眠時間はまたも2時間。

民泊のマンションの扉を開けると、暗闇のうえ強い雨だった。偶然車を待つ男性に居合わせ、空港まで相乗りさせてもらう。イタリアの航空会社のキャプテンだという彼はお金を支払おうとすると受けとらず、颯爽と去っていった。ひたすら飛行機に乗り続ける旅だけに、さりげない親切心が響く。

KLMオランダ航空で、ブカレストーアムステルダム(オランダ)ーコペンハーゲン(デンマーク)と飛んだ後、この旅行最大の危機がコペンハーゲン空港で起こった。

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