では、なぜスタバでないといけないのか。それは、スタバが「そこにしかない」という特別感と関係が深いからだ。このドラマでは木更津が地方・郊外の「何もない」場所として描かれているが、そこに輝きをもたらす存在として「スタバ」は描かれている。スタバは「特別」で、「そこにしかない」なにかがある場所だというわけだ。
しかし、実際のデータを見てみると、興味深いことがわかる。
例えば店舗数だ。公式サイトによると、日本にあるスタバの数は、実に1885店舗(2023年9月末時点の数字)。これは、日本の飲食チェーンにおいてマクドナルド・すき家に続いて多い数字だ。
カフェチェーンとしては一番の数で、ドトールコーヒーは1068店舗だし、タリーズコーヒーは777店舗、コメダ珈琲でも968店舗である(ともに2023年2月末現在。すべて公式サイトによる数値)。ドトールとタリーズを足しても1845店舗なので、スタバのほうが多い。
モー子の願いは叶った、いや叶いすぎた
チェーンストアの数や位置を調べることができるサイト「ロケスマ」で見ると、このようにスタバは数が多すぎて、もはや正しく表示されることは難しい様子だ。
ちなみに木更津にもばっちりスタバはある。しかも、市内に複数だ。
時代が下がっているとはいえ、モー子の願いはかなったわけである。いや、むしろ、かないすぎたと言ってもいい。もし、現実のデータに合わせて考えるなら、モー子の願いは、
「木更津に吉野家ができますように!」
と言ったほうが自然なのである。吉野家の店舗数は、スタバに遠く及ばない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら