世界初!「おむつファッションショー」開催の狙い おむつは白だけじゃない!企画が始動した背景
平林さんがおむつファッションショーを企画するに至ったきっかけは、2022年にパリで開催された車いすユーザーのファッションショーだった(これも平林さんが企画・主催した)。ランウェイを車いすで歩くモデルたちと話すなかで、「洋服もいいけど、もっと深刻なのはおむつ問題」という話題がたびたび上がったという。
「ある女の子――若い子だったんですけど、彼女が言っていたんですよね。『自分はおむつだけど、その姿は友達には絶対見られたくない。だから一緒に旅行できない』って」
「だから、おむつを下着とわからないようなデザインにするとか、下着よりめちゃくちゃおしゃれなおむつを考えてほしい。そうなったら最高!!!」。こう話す女の子に、平林さんはメチャメチャ共感したという。
「おむつとパンツだと、おむつのほうが機能性は上。おしゃれなおむつができたら、相当売れるんじゃないかと、みんなで盛り上がっちゃって(笑)。それで本格的に取り組むことになったんです」(平林さん)
こうして「O-MU-TSUプロジェクト」がスタートした。
黒染めしたおむつに、いいねが25万
平林さんが手始めにやったことは、市販のおむつを買ってきて自身で色を付け、その写真をSNSで発信することだった。ちなみに最初に付けた色は黒だ。
「既存のおむつのことを悪く言うつもりはまったくありません。でも、買ってきたおむつをはいた自分を鏡で見たら、きついわー、気分落ちるわーみたいな感じ。それで試しに染料で黒く染めてみたんです。それをはいて鏡で見たら、これは意外といけるな、と確信を持ちました」(平林さん)
実際、SNSで黒く染めたおむつの写真を公開するやいなや、ものすごい反響が返ってきた。共感するコメントが3000以上も寄せられ、“いいね”数は25万件。
そのコメントのなかに「気分に応じて色を選びたい」というものがあったことから、今度は7色の色を付けたおむつを“レインボーアソート”として作ったり、おむつを藍染めしてデニム風したり……。それらももちろんSNSで発信していった。
コメントを寄せていたのは若い人も多く、おむつユーザーだけじゃなかったことに、平林さんは驚いたという。
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