世界初!「おむつファッションショー」開催の狙い おむつは白だけじゃない!企画が始動した背景

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尿失禁は高齢者になるほど増えてくるが、女性の場合は比較的若くても尿もれに悩む人も多い。介護現場だけでなく、障がいがある人のなかにもおむつを使っている人たちがいる。長時間、トイレに行けないマラソンなどの競技でおむつを使うケースもあるそうだ。

ファッション性の高いおむつは、年齢問わずニーズがあるという感触をつかんだ。

「そもそも、50代、60代の男性で、いまどき白いブリーフとかはく人なんて、ほとんどいない。女性だって、白いシンプルな下着よりおしゃれな下着をはきたい。だったら、“白しかない”っていうのは、やっぱりおかしい。選択肢の1つとして、おむつとしての機能を保てるのであれば、いろんな色、デザインのおむつがあってもいい」(平林さん)

万博は千載一遇のチャンス

そして、この「おむつ=白」のイメージをドラスティックに変えるために選んだ場が、ファッションショーだった。タイミングよく大阪・関西万博も開かれる。「千載一遇のチャンス。まさにあの場で日本のおむつの機能の高さと、ファッション性を世界に発信したい」。平林さんはそう強く想った。

O-MU-TSU WORLD EXPO
藍染めにしてジーンズ風にしたおむつ(写真:平林さん提供)

ショーがどんな感じになるのか。全体の構想はまだシークレットだが、「テーマは“クールで、ロックで、モード”」だという。

「近未来というよりも、もう少し先の未来のおむつを見せたい。それによって、いまおむつを使っていない人たちにも、ポジティブなイメージを持ってもらいたい」(平林さん)

このO-MU-TSUプロジェクトを成功させるために欠かせないのが、おむつメーカーの協力だ。「始めは渋っていた」(平林さん)というメーカーも、いまでは全面的に協力してくれている。おむつを含む衛生材料の業界団体である日本衛生材料工業連合会の後援も得られた。

現在は、花王や光洋、白十字、大王製紙、日本製紙、日本製紙クレシア、ユニ・チャーム、リブドゥコーポレーション、ワコールなどがショーに向けて、自社の持つノウハウを生かした、これまでにない新しいおむつ制作を始めている。機能面については矢野雷太医師(大腸肛門病専門医)による監修で、医療的な側面からのバックアップをはかる。

ファッションショーに出るモデルは、公募で集めた。看護師や理学療法士などの医療関係者から、モデルを専門にするプロまで、多くの人からの応募があったそうだ。

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