「新幹線国際会議」台湾で開催、何を議論したのか 高速鉄道に関心持つ世界の要人がずらり参加
「台湾で高速鉄道の国際会議が開催されるということは、台湾の高速鉄道の実績が世界に認識されたからだと思うが……」
現地メディアの記者が台湾の高速鉄道を運営する台湾高速鉄路(高鉄)の江耀宗董事長(会長)にこんな言葉を投げかけた。
10月31日、国際高速鉄道協会(IHRA)の年次会議が台北市内で開かれた。開催に先立ち、前日の30日にIHRAの宿利正史理事長と高鉄の江会長が記者会見を行った。冒頭の発言はこの場で発せられた。
「独自性」PRする台湾
IHRAは東海道新幹線50周年のタイミングで2014年に設立された一般社団法人。会員は新幹線を運営するJR各社、メーカー、総合商社、コンサルティング会社などで構成される。台湾の高速鉄道も多くの部分で新幹線システムを採用しており、高鉄も名を連ねる。
世界の高速鉄道は2種類に大別される。既存インフラの活用を重視して在来線や貨物列車と線路を共有する欧州型の高速鉄道。そして、高速鉄道専用の線路上を走る日本の新幹線である。
新幹線は専用線に加え、自動運転装置(ATC)を導入することで衝突の可能性を完全に排除することを基本思想とする。さらに車両、電力・信号・通信設備、軌道、土木構造物、防災・防護設備などの有形のハードと、オペレーション&メンテナンス、組織体制、人材育成・開発といった無形のソフトを最適に統合したものを新幹線システムと捉え、「高速鉄道に関心を持つ世界各国の国々に新幹線システムの情報を正確に提供することがIHRAの目的である」と宿利理事長が説明する。
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