英カミラ王妃「魔性の女」から意外な逆転劇の中身 5か月で60以上の公務、見え始めた"覚悟"
1989年2月に行われたカミラ夫人の妹アナベル・エリオットの40歳の誕生日パーティーに乗り込んだダイアナ妃は、夫人にチャールズ皇太子との関係を終わらせるよう迫った。当時の心境をダイアナ妃は後に「結婚生活で最も勇気を振り絞った瞬間」と振り返っている。
これに対し、カミラ夫人が「世界中の男から愛されているあなたがこれ以上何を望むの?」と一蹴したエピソードはあまりにも有名だ。容姿もダイアナ妃と比べて決して美しいとは言えず、世間の評価も「皇太子をたぶらかす年増の醜い魔性の女」というイメージが強かった。1997年にダイアナ妃がパリで交通事故死したことにより、世間の憎悪は頂点に達し、カミラ夫人は「イギリスで最も嫌われる女性」となった。
苦難を乗り越え、見え始めた覚悟の真実
2005年にチャールズ皇太子と再婚した後も、カミラ夫人に対する批判は消えることはなかった。しかし、一切の反論をせず、寡黙にチャールズ皇太子を、そして英国を支え続けた。
2020年3月27日、コロナ禍において、自宅から出ることが出来ない女性たちを家庭内暴力から守るべきというメッセージをカミラ夫人は自身の公式インスタグラムアカウント「Clarence house」から発信した。ロックダウン下で見過ごされていた社会的弱者である女性たちの危機にいち早く気づき、警鐘を鳴らしたことで、それまでカミラ夫人に懐疑心、嫌悪感を抱いていた女性層からの支持を大きく得た。
国内外のさまざまな慈善活動にも力を入れており、特に、動物保護や教育分野への尽力は顕著だ。メーガン妃やヘンリー王子のように営利目的のお涙頂戴のアピールを行うことはしないため、決して目立つものではないが、確実に成果を上げている。
こうしたカミラ夫人の姿勢が生前のエリザベス女王の心を動かした。
2005年にチャールズ皇太子とカミラ夫人が再婚した当時は、将来「チャールズ国王」が誕生してもカミラ夫人に「王妃」の称号は与えられないことが条件として突き付けられたと言われている。
エリザベス女王は、2022年2月6日に発表した即位70周年を記念するプラチナジュビリーのメッセージの中で以下のように国民に語り掛けた。
「時が満ちて、私の息子チャールズが国王になったとき、あなた方は私と同じ支援を彼と妻のカミラに与えてくれると確信しています。そのときが来たとき、カミラが忠実に奉仕を続けながら『王妃』と認められることを私は心から願っています」
と、自分の死後、チャールズ皇太子が国王となった際にカミラ夫人が王妃となることを望むと国民に伝えたのだ。