昭和世代には懐かしい「ヘチマ」見直される"良さ" 静岡県浜松市の市民団体が復活・普及に奮闘中

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団体の副代表を務め市内で菜食カフェを経営する40代の石田渚さんは、「皿や鍋を洗うスポンジにヘチマを使ってみたら、洗剤を使う量も少なくて済むし、耐久性も気にならない。ヘチマでいいんじゃない?と思った」と魅力を語る。

使い方にもよるが、ヘチマスポンジは一般的に長持ちする。排水性が高いため植木鉢の底に敷くこともでき、最後は土の中に埋められる。

他方、プラスチック製スポンジは、使えなくなったら即廃棄物になる。またマイクロプラスチックは下水道処理のフィルターを通しても、一部は河川を通じて海洋に漏れ出てしまう恐れがある。このため、海洋生物やそれを食べる人への健康の影響が懸念されている。

五明さんはまた、夏の日よけ対策が「重要度を増している」と指摘する。理由として、住宅性能が向上する中「一旦、家の中に熱がこもると抜けにくくなるため」だという。

そのうえで、冷房費削減効果がある住宅の外側から日よけをする方法の1つとして、「緑のカーテン」が有効だと話す。最近はゴーヤを使って実践している家庭があるが、スポンジも作れるヘチマも一緒に育ててほしい、と語る。

果たして農家はヘチマを作るのか

一方、市内ではプロジェクトを応援するが「果たして農家が作るだろうか」との声もある。

浜松市は市町村別で全国6位の農業産出額(農水省)を誇る地域。農家が、市場規模が小さく収益性に不安があるヘチマ栽培にすぐに乗り出すとは考えにくい。

しかし五明さんは、まずは多くの人がヘチマの良さに気づき使い始める「仕掛け」を作ることを目指している。「価値を感じる人が増えれば、農家にも着目してもらえるのでは」と期待する。

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