極右政党の勝利が不安視された選挙を制したのは、左派連合だった。
目を疑う結果となったのは、7月7日に投開票が行われたフランス国民議会(下院)選挙の決選投票だ。
6月30日の初回投票では、極右政党「国民連合(RN)」が33%の支持を獲得し、首位を走っていた。初回投票で勝者が決まらなかった選挙区では、初回投票の上位2名と有権者の12.5%以上の支持を得た候補が決選投票に進む。
国民の関心が高い今回の選挙では、投票率が上昇したため、577の選挙区のうち300以上で3人以上の候補が決選投票に進出した。こうした選挙区では反極右票が割れ、極右政党に有利に働く。
「反極右で候補者一本化」の皮肉な結果
極右政権の誕生を恐れた左派連合「新人民戦線(NFP)」と与党連合「アンサンブル(ENS)」は、重複して決選投票に進出した選挙区で候補の一本化に動いた。一本化により、300以上あった3人以上の選挙区は90余りに減少した。
左派連合の支持者の多くは、反極右であると同時に、反マクロンでもある。また、与党連合の支持者の多くは、極左政党「不服従のフランス(LFI)」が加わる左派連合を極右同様に危険視していた。一本化後の候補に投票するのではなく、白票や投票棄権が増えるおそれがあり、このことは「極右が単独過半数に届かないが、第一党となる」と予想する根拠であった。
だが、蓋を開けてみると、決選投票の投票率も高く、極右阻止だけを目的に投票所に足を運んだ有権者も少なくなかった。極右が失速したわけではない。
今回の前倒し選挙をマクロン大統領の危険な賭けとみる向きも多かったが、極右政権誕生への不安を呼び起こし、反極右票を結集した点では、大統領の読みは正しかったと言える。
ただ、反極右票がより多く流れた先は、マクロン大統領の与党連合ではなく、敵対する左派連合であった点は何とも皮肉だ。
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