ディズニー「ファストパス」導入が永遠に変えた事 アトラクションは「早い者勝ち」だったはずが
ディズニーは1990年代に、長い行列のせいで楽しかったはずの体験が多くの利用者(ディズニーではゲストと呼ぶ)にとって不快なものになってしまうことに気づく。
しかしディズニーには解決困難な問題があった。スペースマウンテンが乗せられる一時間あたりのゲストの数は限られていることである。不快な行列待ちを減らしつつ、より多くの利益を生み出せるような方法は何かないものか……。
「ファストパス」でゲストの経験を向上
そこでディズニーの出した答えが、のちに「ファストパス+」と呼ばれるようになる待ち時間短縮パスだった(パンデミック中はファストパス+の発券は中止され、さらに2021年8月に正式に廃止されて、代わってさまざまな有料の優先搭乗サービスが導入された)。
ゲストは希望のアトラクションまたはショーを3つまで選び、事前にパスを取得する。パスは無料だが、指定時間枠内に使わなければならない。行列は大嫌いというゲストや事前に計画を立てておきたいというゲストは、パスを活用すると長蛇の列の一部をスキップできる。
パスを取得したゲストは、そこらを見物したり、あまり待たずに乗れるものを楽しんだりし、時間が来たらお目当てのアトラクションに出向いてファストパス+専用の短い列に並んで満喫する、というしくみだ。
パスを3枚使い切ってしまったら、追加で1枚取得できる。ただし一定時間置かないと使えないので、その間子供たちは空いているショーを見たり、ソフトクリームを食べたりする。そして時間が来たらお目当てのアトラクションに出向き、パスを使い切ったらまたもう1枚……という具合に、疲れ切るか財布が空っぽになるまでこれが続く。
ファストパス+は、世界各国のディズニーリゾートによって多少の違いはあるものの、混雑をある程度緩和し、ゲストの経験を向上させる効果があることが確かめられている。
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