新山千春「マッチングアプリ婚」の偏見に思うこと 海外では当たり前でも、日本ではまだ後ろめたさがある

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結婚後の生活の変化について問うと、少し意外な答えが返ってきた。

もともと3人で過ごす時間もあったので、大きくは変わっていません。ですが、家族のあり方は変わってきています。最も大きいのは娘の意識の変化でしょうか。結婚するときに、彼女から「家族、家族っていう3人の“型”にハメすぎないでほしい」というリクエストがあったんです。

例えばいつも揃って家族でご飯を食べるとか、夏休みやお正月は一緒に旅行に行くとか、そういったこと。私や夫はそういう時間を持とうとしていろいろ企画もしていたんですが、彼女は、「今は自分のやりたいことがあって夢を叶えたいから、そういうのは大丈夫だよ」と言うんです。実際に旅行に行った際にも、あの子だけ一泊で帰ったこともあります(笑)。

ただ、これはよく考えると親側の「こうあるべきだ」みたいなものが強すぎたからなんですよね。彼女もまもなく成人を迎え、私が芸能界に入ったときの「なんとかして名前を売りたい!」と考えていた時期と重なる部分もあって、あまり親が介入すべきところではないと感じています。

実際にすごい熱量でダンスに励んでいますし、本人の希望である留学をすることになっても、親としてはできるだけサポートしてあげたい。今は彼女を見守るべき時間と、夫と2人で過ごす時間のバランスがすごくとれているんです。もしかしたら、彼女なりに私たちに気を遣ってくれている部分もあるのかもしれませんね。

子どもは親が考えている以上に大人

母として過干渉になりがちだったんですが、子どもって親が考えている以上に大人なんだな、と再婚して改めて気付かされた部分もあります。シングルマザーの女性で次の恋愛を考える方は、どうしても子どものことを優先して考え、悩む方も多いと思います。

私のケースで言えることは、娘と些細なことでも日頃から言い合える関係性ができていたことはとても大きかった。そして、親が考えている以上に子どもはしっかりとした考えを持っているということでした。早く自立したいという彼女の意思も尊重したいですし、家族それぞれが自分らしく生きて、みんなで笑いあえる時間も共有できるのが理想的ですね。

後編「新山千春、公表しづらい不妊治療の実態を語る訳」に続く

栗田 シメイ ノンフィクションライター

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くりた しめい / Shimei Kurita

1987年生まれ。広告代理店勤務などを経てフリーランスに。スポーツや経済、事件、海外情勢などを幅広く取材する。『Number』『Sportiva』といった総合スポーツ誌、野球、サッカーなど専門誌のほか、各週刊誌、ビジネス誌を中心に寄稿。著書に『コロナ禍の生き抜く タクシー業界サバイバル』。『甲子園を目指せ! 進学校野球部の飽くなき挑戦』など、構成本も多数。南米・欧州・アジア・中東など世界30カ国以上で取材を重ねている。連絡はkurioka0829@gmail.comまで。

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